パワコンの入力側にノイズ低減用リアクトル
このノイズへの対策として、PCSの直流電力の入力側(図1)に、ノイズ低減用の部品(リアクトル)を設置しました(図2)。ノイズは、太陽光パネルからケーブルを伝わってPCSに入力されます。そこで、ノイズ低減用リアクトルを使ってノイズを除去するという対策です(図3)。
ノイズ低減用リアクトルを設置したことで、太陽光パネル内の配線が拾ったノイズが、自動車のAMラジオに影響を与える範囲は減少しました。しかし、この対策では、ノイズの原因を完全に除去するまでには至らず、工場の周囲に対する影響を抑えることに留まりました。
次のステップとして、ノイズの発生源を突き止め、根本的な対策を施す必要があります。しかし、発生源が特定できず、残念な思いをしました。
2012年7月に固定価格買取制度(FIT)が施行されて以来、より大規模な太陽電池発電所の設置が、全国で急激に進んでいます。しかし、過去の不具合やトラブルの経験が少ないために、発電事業者や運営・保守事業者などが、対応に苦慮している現実も否めません。
今回のノイズもその一つといえ、中部電気保安協会では、こうしたトラブルの事例や対策を共有し、ノウハウの蓄積や保安技術の向上に注力しています。