基礎からパネルの設置までの工期は実質6カ月間

 赤穂太陽光発電所には、シャープ製の単結晶シリコン型太陽光パネルを4万8342枚、約12MW分、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のパワーコンディショナー(PCS)を20台設置した。

 シャープ製の太陽光パネルを選んだのは、相対的に発電効率の高い単結晶シリコン型を比較する中で、性能や保証などが優れていたためという。TMEIC製のPCSを選んだ理由は、国内のメガソーラーでは圧倒的な実績や性能があり、信頼感がある上、シャープ製の太陽光パネルとの相性の良さを挙げている。

 地上高は50cmとした。作業者がはしごなどを使わず、立ったまま設置できるためだ。設置の精度や安定性を維持しやすい上、設置時間を短縮でき、施工コストの低減にもつながるという。

 基礎は、現地で金型を置き、コンクリートを流し込んで作成した(図3)。木枠を使う方法に比べて、コストは上がるが、精度が増し、作成時間を短縮できる。

 今回は約10MW規模になり、9208個の基礎を作ることから、コスト増を吸収できた。当初、70個の金型を使っていたが、150個まで増やし、作成のペースを上げた。

図3●コンクリート基礎は、金型で作成して効率化。風圧が強い外周の列は、寸法を大きくして耐荷重性を高めた
(出所:日経BP)
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 太陽光パネルは84枚単位で1アレイを構成し、1アレイを支える基礎の数を16個に抑えるなど、基礎からパネルの設置までの工程を効率化し、工期を実質6カ月間に短縮した。

 このほか以下のような工夫もある。建設時や運用時の効率性を考え、メンテナンス用の道路を配置した(図4)。西隣にある別の企業の遊休地に建物が建設された場合の影の発生に備えて、太陽光パネルを並べないスペースを確保した(図5)。敷地内の傾斜を生かした太陽光パネルの設置(図6)、台風時などの雨による浸水に備えた高さの配線ラックの敷設(図7)――など。

図4●運用時の効率性を考え、中央部にメンテナンス用の道路を配置
(出所:日経BP)
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