アスファルト上でもパネルの温度上昇を防ぐ

 ただ、舗装面は、土などの地面に比べ、強い日差しによって表面温度が上昇し、結晶シリコン系の太陽光パネルの発電量が下がることも懸念される。そこで昭建では、太陽光パネルの設置角と、前後の列の間隔のバランスによって、アスファルト上の日照面積を最小限にし、太陽光パネルの表面温度の上昇を抑えるよう配慮した。石部ソーラーでは、設置角が10度、前後の列の間隔は60cmとした。

1000V化で2MWをパワコン3台で構成

 一方、1000V対応の太陽光発電システムの採用も、初期投資、メンテナンスコストの両方を低減する効果がある。

 一般的な600Vのシステムに比べ、太陽光パネルを直列に接続したストリングにおける、パネルの枚数を増やせるため、発電システム全体のストリング数が減り、ケーブルや接続箱の台数が減る。

 太陽光パネルは、京セラ製の1000V対応品を採用した。「国内では、いち早く納入したメガソーラーの一つ」(京セラソーラーコーポレーションの渕上 巌専務)となった。特に石部ソーラーで採用したパネルは、直列する太陽電池セルの枚数を、通常の60枚に対して80枚に増やした322W品のため、メガソーラー全体の基礎や架台、ケーブルの数を、さらに減らせたという。

 パワーコンディショナー(PCS)の台数も少ない。一般的に600Vで構成した約2MWのメガソーラーの場合、500kWクラスのPCSを4台、導入することが多い。これに対して、石部ソーラーでは1000V対応の630kW機、柏原では同665kW機を、それぞれ3台と、1台少ない構成とした。PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。