ものづくりに必要な情報を一元的に扱うことを目的に考え出された3D単独図。形状を表現する3Dモデルに設計情報などを付加したデータである。
JEITA(電子情報技術産業協会)では現在、成果物中心のデータである従来の3D単独図と区別するため、これを「3DAモデル」と呼んでいる。ものづくりの各工程で活用していくためのデータという位置付けだ。
ただし、3DAモデルを実際に運用した際にどのような効果が得られるのか、解決すべき課題は何なのかは不明な部分も多い。その解明に向けて、JEITAは実証プロジェクトを実施した。(中山 力)
連載
JEITA、3DAモデルによる工程間連携を実務で検証
実証プロジェクトのPhase1の対象は金型設計と部品検査
目次
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第4回:≪部品検査≫公差範囲内かの確認が容易に
部品検査では3DAモデルの情報に基づいて、完成した樹脂部品の現物を接触式、非接触式の測定機で計測し、設計通りになっているかどうかを検査する。
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第3回:≪金型設計≫金型要件の問い合わせは半減
ガイドラインに基づいて作成された3DAモデルを受け取った金型メーカー2社は、その中に含まれる金型要件を見ながら金型設計を開始した。果たして、期待通りに金型要件の確認や問い合わせなどの工数を削減できたのだろうか。
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第2回:≪製品設計≫2種類の樹脂部品を設計
製品設計は、厳密には今回の検証プロジェクトの評価対象外だが、元となる3DAモデルを作成していく過程で、幾つかの課題が明らかになった。
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第1回:金型を設計し、成形品を検査する
3D-CADの普及が進んだ現在でも、2D図面が必要となる場面は多い。3Dモデルは形状を確実に伝えることができるが、ものづくりに必要となる情報は形状だけではないし、製品設計で作成した形状と金型設計などの後工程で必要となる形状が異なる場合もあるからだ。