メガソーラービジネスを安定的に運営し、収益性を高めるには、発電事業者が電気設備の知識を備え、適切な太陽光発電システムを構築・運用するのが前提になる。国内メガソーラー向けパワーコンディショナー(PCS)の最大手である東芝三菱電機産業システム(TMEIC)の技術者で、当サイトのアドバイザーでもある伊丹卓夫氏が、メガソーラーに新規参入した事業者が抱く、いまさら聞けないメガソーラー技術の基本に答えた。

 「クラウドエッジ」とは、太陽光が雲の端で回析、反射、散乱することにより、一時的に特定の場所の日射量が急増、急減する現象です。

 太陽光が雲の上を照射している場合、雲にさえぎられて、地上に届く太陽光は、晴れの場合に比べて少なくなります。光の多くが宇宙に跳ね返されている状態です。

 太陽光が雲の端を照射した時には、どうなるでしょう。雲の端で光が回析したり、雲に含まれる微粒子や水蒸気などに当たって、光が反射、散乱して、その一部が地上に達する場合があります。そうなると、地上に直接、達した光に、雲の端で回析、反射、散乱により地上に届いた光が加わり、地上のある地域では、快晴時より強い日射になることがあります。

 太陽光パネルの上で、この現象が起きた場合、部分的に発電に寄与する波長帯の光の強度が極端に増えることになります。日射量が通常の1.2~1.3倍に増えるイメージです。

 しかし、雲は移動していますので、日射量が急に増えて、また急に減ることになります。こうした部分的な日射量の急増と急減を、「クラウドエッジ」と呼んでいます。