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認知症の原因はここまで“見える”ようになった

「放医研 一般公開」の講演から

2014/04/22 08:01
大下 淳一=日経デジタルヘルス
放医研内の新治療研究棟
放医研内の新治療研究棟
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 放射線医学総合研究所(放医研) 分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究プログラム 研究員の島田斉氏は、2014年4月20日に開催された「放医研 一般公開」において、認知症の原因物質のイメージング(可視化)技術の最前線について講演した。講演タイトルは「その物忘れ、本当に年相応ですか?-PETで見えた!認知症の原因と近未来の認知症治療戦略-」である。

 日本の認知症患者数は直近で462万人に達し、深刻な社会問題となっている。認知症に対する根本治療技術は確立されておらず、病態に基づく診断技術も確立していない。こうした状況に対し、PETをはじめとする「イメージング技術が診断や治療効果の判定に役立てる可能性がある」と島田氏は指摘する。

 認知症では症状を早期に診断し、対策を打つことが極めて重要だという。今のところ症状の進行を完全に止める治療技術は確立しておらず、進行を遅らせることしかできない。そのため、治療開始時期によって、維持できる認知機能に大きな差が出てしまうのだ。例えば、日常生活に困っていない高齢者でも、認知症を3年も放置すると独居が難しくなるほど症状が進行してしまうケースが少なくないという。実は、認知症を引き起こす脳内の神経炎症は、症状が出る何年も前から起きている。そこで、その兆候を捉える超早期診断技術の開発が重要になるというわけだ。

 認知症の可視化技術の一つは、X線CT装置やMRIである。例えばアルツハイマー病では、脳内の海馬が萎縮することが知られており、その様子はX線CT装置やMRIでとらえることができる。ところが「CTやMRIの画像が正常であることは、認知症を否定する根拠にはならない」(島田氏)という。実際、軽度の認知症患者の約3人に1人は、MRI検査では異常が見つからないという。そこで近年では、脳の機能をイメージングできるPETによる超早期診断が注目を集めている。

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