簡易施工型のパネル・架台を今春投入、掃除ロボットを試験導入

シャープの小西貴雄・EPC事業企画部長
(撮影:直江 竜也)
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――EPC事業を今後さらに伸ばすための課題は何か。

小西 国内では今後、買取価格の低下に従って、建設コストのさらなる低減が求められる。一方で、労務費は上がっている。現在、それに応えるために、簡易施工を可能にする太陽光パネルと架台の開発を進めている。これもパネルと架台の両方のメーカーだから取り組める強みだ。今春以降、市場に投入する計画だ。また、海外でのEPC事業も強化する。これまでタイで建設または受注した150MWのほか、今後はタイに加えて、インドネシアなどの東南アジア、中近東、中南米でも、メガソーラーのEPCとO&Mを拡大していきたい。

 海外市場向けには、現在、洗浄ロボットを開発している。雨の多い国内のメガソーラーでは、パネル表面に付いた土埃などの汚れは雨水で流されるため、日射を遮ることによる出力ロスは約1%と言われている。だが、雨の少ない地域ではパネルに土埃が長期間、積もってしまう。例えば、タイでは雨季と乾季があり、乾季に1カ月洗浄しないと年間約5%の出力ロスになる場合がある。シャープがメンテナンスを担っているタイのメガソーラーでは、月に最低2回、水をかけながら人手でパネルを洗浄している。洗浄のための人件費を考えても、出力アップによる売電量増加の方が事業的に有利だからだ。従って、人件費のかからない「メガソーラー掃除ロボット」を投入できれば、さらに収益性が高まる。いま、タイで導入試験をしている。