屋根の保全や遮熱効果も
大型構造物の屋根に設置した太陽光発電システムには、発電以外にも利点がある。「太陽光パネルが屋根のカバーの役割を果たすことで、屋根の保全に寄与することと、屋根の遮熱効果が高まること」(大和ハウス工業 経営企画部 事業企画推進グループ 上席主任 園部恵武氏)である。
屋根の保全では、屋根を傷つけずに守り、劣化を抑える効果がある。実際に、今回のメガソーラーでは、建設中に無線操縦によるヘリコプターが落下し、太陽光パネルが損傷したことがあった。もし、太陽光パネルが設置されていなければ、屋根が損傷したところだったという。また、屋根の劣化を抑える効果は、日光が屋根に直接当たらなくなる部分で生じる。
屋根の遮熱効果については、建物内の空調コストの削減などに寄与する。大和ハウス工業では、この効果を、岡山工場内の第二工場の屋根に設置した出力816kWの太陽光発電システムで検証している。屋根面と工場内の温度を比較してその影響を評価する。こうした利点は今後、屋根設置型の太陽光発電システムの普及に向けた武器になっていくだろう。
岡山工場の太陽光発電システムでは、さまざまな太陽光パネルや金具などを比較、検証している。太陽光パネルについては、韓国LGエレクトロニクス製の単結晶シリコン型を約207kW分、シャープ製の多結晶シリコン型を約202kW分、サンテックパワー製の多結晶シリコン型を約205kW分、ソーラーフロンティア製の薄膜型を約202kW分を導入し、それぞれ約100kWずつを南向き、北向きに設置して発電効率や発電量を計測している。
建物の名称 | ひびき国際物流センター |
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所在地 | 福岡県北九州市若松区響町3-1-5 |
建物の所有者 | 大和ハウス工業 |
屋根面積 | 2万3200m2 |
屋根の構造 | 平屋建て高床式鉄骨造 |
発電事業者 | 大和エネルギー |
発電容量 | 2MW(太陽光パネルの容量:約2.3MW) |
発電開始日 | 2012年10月 |
設計 | 大和エネルギー |
調達・施工 | 大和ハウス工業 |
太陽光パネル | 京セラ製 |
パワーコンディショナー(PCS) | 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製 |
金具 | サカタ製作所製 |
O&M(運用・保守) | 大和エネルギー |
公開当初、大和ハウス工業 プロパティマネジメント室の西本良一氏の氏名を誤記していました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2014/02/18 11:02]