透析患者の災害時対策としても期待

 東日本大震災では多くの病院や診療所が被災したため、かかりつけの医療施設で人工透析を受けることのできない患者が続出。「透析難民」という言葉がささやかれた。仙台市の病院が24時間体制で被災透析患者を受け入れるなど、各地の施設の協力で何とか苦境を乗り切った。しかし、透析条件などの情報が消失したことで、スムーズな移送透析が困難になるなどの課題が生じた。

 「高齢の透析患者のほとんどは、ドライウエイト(透析後の至適体重)や抗凝固剤の使用量を聞かれても答えられません。透析条件情報を患者さん自身で持参する、あるいはかかりつけの医療機関からデータを送り利用できるようにする。こうした環境があれば、不安なく継続透析が受けられます。そうした災害時対策にも、dotto HDを利用してもらえればと考えています」(高木氏)。移送先でdotto HDを利用できる環境があれば、データを取り込んでスムーズに透析を実施できるので、移送先での検査など負担を減らすことが可能になる「多くの透析関連施設で試用してもらい、様々な意見を集約して、機能改善も進めていきたい」と高木氏は今後の展望を述べた。


■診療所概要
名称:泉南新家クリニック
住所:大阪府泉南市新家1801
診療科:内科、リウマチ科、アレルギー科、放射線科
病床数:16床
透析ベッド数:20床
Webサイト:http://www.sennanshinge.com/
ダウンロード提供サイト:FileMaker iOS サンプルソリューション「fmgo.jp」透析業務支援システム【dottoHD】)。
導入システム:ファイルメーカー「FileMaker Server、FileMaker Pro」