ベッドサイドでテーブルのバーコードを読むとともに、再びダイアライザーと注射薬の認証を行い、取り違えミスを防ぐ。
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患者、ベッド、使用資材の認証で完全に照合されると画面に表示される。
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 さらに、透析開始前のベッドサイド認証では、患者の診察カード(透析前体重測定でその都度測定データが更新されるリライタブルカード)のバーコード、ベッドテーブルに貼付されたバーコード、注射薬のバーコードをそれぞれ読み取って照合する。

 患者の透析が開始されると、血圧や脈拍、血液ポンプの確認など1時間ごとに経過チェックを行いCARE BOARDに入力していくことになる。それらの作業の経時的なワークフロー管理もシステムで行っており、スタッフのiPad miniの画面上に患者に対する行動予定が表示される。作業が済み次第画面上でチェック入力するため、未実施の業務が一目で分かる。「ワークフロー管理とスタッフの行動予定をナビゲートする機能により確かな業務遂行が可能になり、担当者は効率よく患者さんに接することができるようになりました」(市川氏)という。

 この他、安全管理のために医療事故記録ツールを運用している。透析条件設定ミス、注射・内服関連、穿刺関連など、発生事故のジャンル別に入力テンプレートが用意されており、事故要因を自己分析して選択する。重大事故の場合は、詳細を記述入力できるようになっている。入力した事故記録は報告者名が付与されて管理され、報告一覧に表示されるので、各スタッフはそれぞれを閲覧し、閲覧チェックを入力する。

医療事故記録報告ツールは入力を簡易化するとともに、すべてのスタッフが事故情報を閲覧・共有しているかチェックできる。
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 「従来は、医療事故報告用紙に手書きしていましたが、記録するまでに時間が経過することもあって、内容が曖昧になる、報告を忘れる、などのことが起こっていました。今では、事故記録は漏れなく報告され、全員が閲覧・情報共有できます。システム化したことによって、リアルタイムのインシデントの記録と確実な閲覧・共有が促進されると期待しています」(市川氏)。