ベッドサイド業務の効率化にiPad導入を計画

 院内業務支援システムの運用開始当初は、透析室のスタッフが操作に慣れていなかったため、従来通りのペーパー帳票を利用するケースも目立った。しかし徐々に稼働率が上がり、ペーパーレス化は進んでいる。「各種の帳票に患者基本情報を転記するなどの作業が不要になり、業務の効率化は大幅に向上すると同時に、単純なミスが減少しました」(吉田氏)と運用成果を強調する。なお、透析中経過記録などシステム化していない領域もあるため、部分的に帳票の運用・管理も行っている。

 スタッフの院内業務支援システム利用が進むにつれ、ベッドサイドで透析指示や体重経過、検査データを参照しながら業務を行いたいという要望が、看護師を中心に高まっているという。「現状では、2カ所の透析室に5台の端末を配置し、FileMaker Pro Advancedを利用しています。ベッドサイドでiPadを利用したいというニーズに応えるため、データベースをFileMaker Serverに一元化し、FileMaker Goを利用したiPad運用に移行するのが当面の目標。ペーパーレス化の進展で、業務効率はさらに向上すると期待しています」と吉田氏は展望する。FileMakerで作成されたシステムはiPadへ容易に展開することが可能であるため、iPadの導入も積極的に進めたい意向だ。

 「基幹システムの機能拡張で、連携できるデータは大幅に増えます。現在、グループ内でFileMakerを利用している施設は半数に達していませんが、基幹システムで対応しきれない各施設ニーズに基づいた業務支援システムをFileMakerで構築することで、現場の業務効率化を図っていきたいと考えています」(野村氏)と、基幹システムと連携するFileMakerのメリットを活かしたシステム化を推進していく計画だ。


■病院概要

名称:医療法人社団 望星会 鶴見西口病院
住所:神奈川県横浜市鶴見区鶴見1-12-31
院長:王 恒維氏
診療科:内科、腎臓内科、循環器内科
病床数:60床
透析ベッド数:29床
Webサイト:http://www.mtnet.jp/west-tsurumi/
導入システム:ファイルメーカー「FileMaker Pro Advanced」、基幹システム(独自開発)