熊本県大津町は、阿蘇山と熊本市の中間に位置し、江戸時代から宿場町として栄えてきた。JR肥後大津駅からクルマで10分ほど、市街地を抜け主要道から小道に入ると畑や林が広がる。出力約1.1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「大津太陽光発電所」は、そんな農村地帯にある(図1)。青い太陽光パネルを囲んだフェンスの周りには灌木が生い茂り、そのさらに先には雄大な阿蘇山を望むことができる(図2)。

図1●2013年9月に稼働した「大津太陽光発電所」
(出所:自然電力)
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図2●パネルの向こうに阿蘇山を望む。隣接して豚舎の廃屋も残っている
(出所:日経BP社)
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 「メガソーラーの候補地を探すなかで、初めてこの土地を訪れた時は、まるでジャングルのようでした」。自然電力(東京都文京区)の笠間貴之・九州エリアマネージャーはこう振り返る。同発電所が立地する約2万1750m2の土地は、養豚団地の跡地で、約30年間も使われていなかったため、草木が生い茂り、境界線すらはっきりしない状態だった。