封止材やバックシートの不具合は解決されてきた

――封止材、バックシート、フレームの異常は、どのような症状になるのか?

 アルミ製フレームでは腐食が起きることがある。アルミ製フレームを直接、鉄製のネジで架台に止めている場合に、地理的条件や気候条件で厳しい要素が重なると、異種金属の接触電位差による腐食が起きやすくなる(図4)。産業用の架台では、フレームの取り付け用の穴に直接ねじ止めすることはほとんどなく、同じアルミ材で押さえる方式のものが主流なので、まず問題にはならないのではないかと考えられる。

図4●海岸近くに設置され、フレームが腐食した例
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図5●封止材(EVA)が変色して剥離した例
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図6●封止材(EVA)が変色した例
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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図7●封止材(EVA)が剥離した例
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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 また、封止材の変色や剥離などの現象もある(図5~7)。ただし、われわれの中古在庫を見る限り、これらは古い製品に特有の現象なので、これらの材料はメーカーによる改良が進んだと考えられる。

 このように材料に起因する問題は、パネルメーカーや材料メーカーの努力によって、確実に解決へ導かれつつあるようである。こうして見ると、パネルの不具合の原因として、本質的な解決が遅れているのは、ハンダ付けとセルのクラックということになる。これらについては次回以降、詳しく解説する。