メガソーラー事業の実現に向けて、建設資金をどのように調達するのかも重要となる。法律の視点からのメガソーラービジネスの解説の第4回となる今回は、勝山輝一氏(長島・大野・常松法律事務所・弁護士)による、メガソーラーの建設プロジェクトにおける資金調達に関する法的なポイントを紹介する。

特定目的会社(SPC)による資金調達

 メガソーラー・プロジェクトにおいて、特定目的会社(Special Purpose Company:SPC)を活用するケースが多い。SPCとは、特定のプロジェクトを遂行することだけを目的とする会社である。原則として従業員を雇用せず、事業の実質的な運営については、SPC自体が行わずに、すべて業務委託などによって切り出される。SPCは、メガソーラーを建設する用地の所有権、または利用権を確保するとともに、確保した用地に太陽光発電設備を設置し、発電事業を行うこととなる。

 こうした場合、SPCは、該当するメガソーラー・プロジェクトを遂行するためだけに設立された会社である。その他の事業を行っていないために、当初はメガソーラー・プロジェクトを遂行するための資金を有しておらず、かかる資金を調達する必要がある。そして、資金調達の方法としては、SPCが株式会社である場合、株主による出資、商法上で認められる匿名組合契約という組合形態を用いた出資、および金融機関からの借り入れが挙げられる。今回は、資金調達の主要な部分を占める金融機関からの借り入れについて、法務面からいくつかのポイントを紹介する。