20年間で9億円の収益を地域還元

 収益配分は広島県が76.8%、ESSが23.2%と出資比率以上に広島県への配分が多くなっている。広島県では、6.6MWのメガソーラー事業によって20年間で約9億円の収益を見込んでおり、地域に還元する計画だ。収益金は、県の一般会計には繰り入れず、別会計にして県民の省エネ活動などに活用する。「固定価格買取制度によってメガソーラーが増えるほど、賦課金によって電気料金が上がる。メガソーラーの収益を使って省エネを進めることで、電気代が上がらないようにするのが目標」(岡田主査)という。

 とはいえ、地域還元を実現するには、メガソーラー事業が20年間、安定した収益を生み出し続けることが前提になる。だが、発電事業の主導権を握る県には、メガソーラーの専門家や技術者はいないのが実態だ。専門的な知識に乏しければ、事業リスクはそれだけ大きくなる。中国電力グループのESSにLLPへの出資を要請したのも、こうした事業リスクを軽減するためだ。ESSは、太陽光発電システムと電気設備の専門家として、庄原太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)サービスを担うとともに、発電事業主の一員でもある。