発電所としての肝を担うPCS

 メガソーラーの建設に関わるプレーヤーは、EPC企業、施工企業、太陽光パネル・メーカー、パワーコンディショナー(PCS)メーカー、架台メーカーなどである。EPC企業はメガソーラーの設計や調達、建設を担い、太陽光パネル、PCS、架台など発電所に必要な設備や部材を調達し、設置する。発電が始まると、O&M企業が運用や保守を担う。

 メガソーラーというと、太陽光パネルに注目が集まりがちだが、実際の発電事業においては、PCSや架台が担う役割も多い。架台の強度が足りなければ、風に飛ばされたり、20年間、安定的に太陽光パネルを固定できない。PCSは、太陽光パネルで発電された電力を、直流から交流に変えるだけでなく、最適な電圧と電流に調整して発電量を最大化する役割を担っているからである。

 東芝三菱電機産業システム(TMEIC) パワーエレクトロニクスシステム事業部PV事業推進室 技術主査の伊丹卓夫氏は、「日射量の少ない状態の太陽光パネルから、より多くの発電量を引き出すための制御など、PCSに盛り込まれた制御技術や運用の優劣によって、メガソーラーの年間発電量は大きく変わる」と強調する。

 次回は、メガソーラーの作り方、運用の仕方を紹介する。