次に音声品質測定を10回行った結果を図3に示します。平均するとR値は79.5となり、IP電話の品質クラスAには若干届きませんが、まずまずといったところでしょうか。

図3●音声品質測定結果(ネットワークエミュレーション無効時)
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 今回の測定では100ミリ秒ずつ遅延時間を増やしていき、最大で400ミリ秒の遅延時間を追加します。パケットレベルでの遅延時間の増加が音声遅延時間にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。

 ネットワークエミュレーションを無効にした状態と100ミリ秒の遅延を追加した場合の比較を図4に示します。平均値や中央値を見ると、ほぼ100ミリ秒の増加となっていることが分かります。

図4●音声遅延測定結果(遅延100ミリ秒追加時)
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 音声遅延時間を100ミリ秒ずつ増加していった場合の音声品質測定結果を図5に示します。今回の結果を見ても、音声遅延時間の増加によって必ずしも音声品質が劣化するとは言えないことが分かります。

図5●遅延時間の増加と音声品質
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