家電・モバイル ボリュームゾーンの最新動向を知る
 

第1回 あらゆるモバイル・コンテンツを大画面テレビで楽しめる

中島 募=日経エレクトロニクス
2013/07/05 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2012年5月28日号 、pp..60-61 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 HD映像を無線で飛ばす「無線HD映像伝送」を使い、携帯端末とテレビを連携させる動きが、ここにきて相次いでいる。例えば、米Apple社は2011年10月に実施したiOS5.0へのアップデートで、iPhoneやiPadの映像/音声をApple TV経由でテレビに出力する「AirPlay ミラーリング」の機能を追加した。台湾HTC社はスマートフォンに、中国Lenovo社はタブレット端末に同様の機能を搭載するなど、Android陣営の動きも本格化している(図1)。日本では、2011年11月にソフトバンクBBがスマートフォンをテレビに無線接続するアダプタを発売した。ノート・パソコンとテレビを無線LANで接続する独自規格の「Intel Wireless Display(WiDi)」を提唱していた米Intel社も、本格普及に向け取り組みを強化している注1)

図1 スマホ向けの製品が続々登場
台湾HTC社は、自社端末のオプション製品としてテレビに接続するアダプタの販売を予定(a)。ソフトバンクBBは、HDMI出力があるスマートフォン向けに、WirelessHD対応アダプタを販売している。
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 家庭内の機器間で映像コンテンツをやりとりする仕組みとしては、コンテンツ伝送規格の「DLNA(digital living network alliance)」が広く普及している。スマートフォンやタブレット端末、パソコン、テレビなど多くの機器が対応済みだ。

 ただしDLNAでやり取りできるのは、機器に保存されている動画、音声、写真のファイルに限られる。例えば、スマートフォンのゲーム画面や動画共有サイトの映像などは、DLNAではテレビに表示できない。無線HD映像伝送を使うと、モバイル端末のディスプレイに表示されている映像がそのままテレビに表示できる。つまり、ゲームや動画共有サイトの映像など、あらゆるモバイル・コンテンツを大画面テレビで楽しめるようになるのだ。

ブームは過去にもあったが…

 無線HD映像伝送をテレビに適用しようとする動きは、それほど目新しいものではない。過去にも何度かのブームがあった(図2)。

図2 10年越しで普及期を迎えるか
テレビに向けた映像の無線伝送は2000年初頭の登場以降、断続的に盛り上がったものの普及には至らなかった。しかしここにきて、スマートフォンや動画配信サービスのブームにともない、再び大きな盛り上がりを見せている。
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 例えば、無線LAN規格の「IEEE802.11a」の登場で5GHz帯の活用が話題になった2000年代初頭、米Magis Networks社の「Air5」などの伝送技術が注目を集めた。松下電器産業(現パナソニック)や三洋電機などが無線対応の薄型テレビを試作するなどの盛り上がりを見せたが、当時はそもそもHD映像のコンテンツがほとんどなかったこともあって、やがてブームは終息した。

 2002年ごろには、超広帯域の周波数チャネルを使う「UWB(ultra wideband)」の登場で再び盛り上がりを見せた。軍事用途を中心に開発されたUWBの民生利用解禁を受けて各社一斉に取り組み、一部メーカーは製品化にこぎ着けた。しかし、法規制の厳しさなどの問題で普及には至っていない。

 2008年ごろに壁掛けテレビが脚光を浴びると、イスラエルAmimon社の「WHDI」や米SiBEAM社(現米Silicon Image社)の「WirelessHD」を採用したチューナー分離型のテレビが製品化された注2)。しかし、売れ筋の価格帯のテレビに搭載されなかったため、ほとんど普及しなかった。

 そして現在の“第4のブーム”では、過去のブームを牽引したテレビ・メーカーは鳴りを潜め、主役がスマートフォン関連企業へとシフトしている。米Qualcomm社や米Broadcom社といった携帯端末向けの半導体メーカーがチップを提供し、端末メーカーもそれらの採用へと動いている状況だ。かつて、テレビやAV機器への採用を優先していたWHDIやWirelessHD陣営も、方針を転換してスマートフォン対応を強化している。

注釈

注1)日本ではNECや富士通、東芝、ソニーなど各社がWiDi対応のノート・パソコンを発売している。

注2)米SiBEAM社は2011年4月に米Silicon Image社に買収された。

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