HD映像を無線で飛ばす「無線HD映像伝送」の実用化が進んでいる。
ケーブル接続なしで、スマートフォンの画面をテレビに表示できる。
コンテンツの増収に結びつくことから携帯電話事業者の関心が高い。
テレビを押しのけ、スマートフォンがリビング・ルームの「主役」になる可能性もある。
広く普及する無線LANを使った有力な規格も登場している。
スマホとテレビをつなぐ 無線HD映像伝送に脚光
リビングを狙う携帯電話事業者が推進
目次
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第6回 実装面積や消費電力に課題
ただし非圧縮タイプの方式をスマートフォンに搭載するには、専用のベースバンドLSIやRF送信ICを組み込む必要があり、現状では実装面積の増加や消費電力の増大、コストなどの課題を抱えている。
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第5回 本命視されるWi-Fi Display
各種の方式の中で、特に本命視されているのがWi-Fi Displayだ。「将来的にスマートフォンの多くがWi-Fi Displayを標準搭載するとみており、アダプタなど周辺機器の製品化を検討している」(アイ・オー・データ機器)というメーカーが多い。
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第4回 技術・規格は並立状態 本命はWi-Fi Displayか
注目を集める無線HD映像伝送だが、現状ではいくつもの技術や規格が並立状態にある。無線HD映像伝送の方式はHD映像を圧縮して無線LANで伝送するタイプと、非圧縮の映像を無線LANとは別の仕組みで伝送するタイプの2種類に大別される。結論から言えば、無線LAN技術をベースとした方式が、主流となりそうだ。中…
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第3回 スマホがリビングの中心に
無線HD映像伝送は、リビング・ルームの勢力図を塗り替える破壊力を秘めている。HD映像伝送の機能を搭載するスマートフォンが広く普及すれば、アダプタを接続しなくても使える無線機能内蔵型テレビも登場するだろう。
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第2回 携帯電話事業者が関心寄せる
このように、スマートフォン業界がブームを牽引している背景には、携帯電話事業者が端末とテレビの連携に強い関心を持っていることがある。ソフトバンク・グループのソフトバンクBBがアダプタを発売したのは、その最たる例だろう。「AirPlay ミラーリングが登場して以降、スマートフォンとテレビの連携に力を入れ…
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第1回 あらゆるモバイル・コンテンツを大画面テレビで楽しめる
例えば、無線LAN規格の「IEEE802.11a」の登場で5GHz帯の活用が話題になった2000年代初頭、米Magis Networks社の「Air5」などの伝送技術が注目を集めた。松下電器産業(現パナソニック)や三洋電機などが無線対応の薄型テレビを試作するなどの盛り上がりを見せたが、当時はそもそも…