Androidの責任者が交代

 現時点でスマートフォン向けOSとして最大のシェアを持つAndroidにも変化の兆しがある。Google社は2013年3月に、Andy Rubin氏がAndroidの開発責任者から退任する人事異動を発表した。Webブラウザー「Chrome」の開発責任者であるSundar Pichai氏が兼任の形でAndroidの責任者を務めることになった。

 アプリをJavaで記述することが基本であるスマートフォン向けのAndroidと、WebブラウザーをモバイルOS化してHTML5でアプリを記述してもらうことを想定したネットブック向けOS「Chrome OS」。Google社は発想が異なる二つのモバイルOSを開発してきたが、それらがいずれ一本化されることが濃厚になった。

 ただし、AndroidがスマートフォンのOSとして最大のシェアを持つ状況まで普及したことを踏まえると、これまでのアプリが動かないものに即座に変えるとは考えにくい。徐々にHTML5に移行していくシナリオが現実的だろう。Javaで記述したアプリを動作させる仮想マシン「Dalvik VM」を継続して搭載しながら、Android上のChromeブラウザーをアプリの実行環境として利用しやすい状況を整えると予想できる。