Mozilla Foundationが管理するFirefox OSを採用した端末は、中国ZTE社、中国TCL社、韓国LG Electronics社が2013年夏に投入する予定だ。この他、中国Huawei Technologies社やソニーモバイルコミュニケーションズが製品化する計画を表明している(図4)。
Firefox OSは、すべてのアプリをHTML5化するという理想像を目指した構造を採用した。「設計がシンプルで、HTML5の実行環境としての性能を高めやすいことや、カスタマイズの制限が少ないことが利点だ」(Mozilla Japan テクニカルマーケティングの浅井智也氏)。
アプリとしてネーティブ・コードを実行できないというデメリットはある。その代わりにMozillaは、C/C++のソース・コードをJavaScriptコードに変換して高速実行する仕組みを開発した2)。C/C++のコードから変換するJavaScriptのサブセット「asm.js」を新たに定義し、asm.js対応のコードを高速実行するモジュール「OdinMonkey」を用意する。2014年にはFirefox OSの正式版に盛り込まれる見込みである。
端末のハードウエアを制御するためのAPI「Web API」は、W3Cの仕様に独自仕様を加えたものだ。「WebAPIは順次追加しており、現在開発中のものにはNFC機能などがある」(浅井氏)。
参考文献
2)大森,「MozillaのHTML5高速化技術、組み込みC言語の資産を生かす」,同上,同年4月15日号,no.1106,pp.16-17.