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マイクに見るMEMSデバイス実装技術(4)

Marc Fueldner 氏=ドイツInfineon Technologies AG
2013/03/01 00:00
出典:NIKKEI MICRODEVICES「パッケージ技術で付加価値向上、マイクに見るMEMSデバイス開発術」、2008年10月号 、pp.58-60 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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接着剤でMEMSを固定

 こうして製造したMEMSチップを信号処理用ASICとともにパッケージングする際には,われわれ独自の技術を盛り込んでいる(図5)。われわれのパッケージング技術は,低コスト化しやすい手法といえる。以下にそのプロセスを示す。

図5●プリント基板に接着剤でチップを固定
MEMSマイクの実装工程を示した。MEMSチップとASICチップを接着剤でFR-4プリント基板に固定する。ドイツInfineon Technologies AGのデータ。
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 まず,基板には,汎用的で低コストのFR-4によるプリント基板を使う。ここに,MEMSチップとASICチップを搭載するための接着剤を塗布する。接着剤を利用するのは主に二つの理由による。一つは,密閉度を高めて音響特性を劣化させないためである。MEMSチップには,空気を閉じ込めるための空隙が必要となる。弾力性のある接着剤でMEMSチップとプリント基板を付けることで,空気を逃がさないようにできる。さらに,デバイス周囲の温度が変化して基板などが伸縮したり,パッケージに外力が加わったりした際に,その影響を弾力性のある接着剤が吸収する。これがMEMSチップに与える応力を抑制する。接着剤の塗布は,ステンシル印刷によって行う。

 次に,MEMSチップとASICチップをプリント基板に載せ,これらをワイヤー・ボンディングで電気的に接続する。さらに,この実装済み基板全体に金属製のふたを載せて密閉する。金属製のふたの接着には,導電性の接着剤を利用する。導電性接着剤を利用することで,携帯電話機に搭載した際などに問題となるEMI(電磁雑音)を遮蔽することができる。

パッケージングの特性への影響はわずか

 パッケージング後にデバイス特性が大きく変化しないこともわれわれは確認した。一般にMEMSデバイスでは,周囲の温度変化による伸縮や外部応力の影響がMEMSデバイスの特性を大幅に変化させる恐れがある。MEMSチップ単体で所望の性能が得られていても,パッケージング後に特性を確保できない恐れがある。そこで,動作温度範囲でFR-4基板とMEMSチップが,どの程度の伸縮をするのかをシミュレーションした(図6)。その上で,それがMEMSマイクの感度に及ぼす影響を確認した。その結果,MEMSチップとFR-4基板の伸縮に差はあるものの,感度は温度によって大きく変化しないことが分かった。これは,MEMSチップとFR-4基板の間の接着剤が,両者の伸縮の違いを吸収してMEMSデバイスに応力を生じさせないようにしているためである。-40~+100℃の温度変化に対して,感度の変化を±1%に抑えられている。

図6●温度変化による影響は±1%以内
温度変化による材料の伸縮率の変化と,それに伴う感度の変化を調べた。ドイツInfineon Technologies AGのデータ。
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注)技術セミナー「MEMS International」で,Marc Fueldner 氏が2008年5月に行った講演を基に,加筆,編集した内容である。

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