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HOMEエレクトロニクス電子デバイスパッケージング技術で付加価値向上 > マイクに見るMEMSデバイス実装技術(1)

パッケージング技術で付加価値向上

マイクに見るMEMSデバイス実装技術(1)

  • 三宅 常之=Tech-On!
  • 2013/02/26 00:00
  • 1/2ページ

MEMS技術を活用したマイクロホン(MEMSマイク)の市場に,共同開発相手のホシデンとともに参入したドイツInfineon Technologies AGが,その製造・実装技術を明らかにした。MEMS部の構造上の工夫に加え,パッケージング技術で高い信頼性を維持しつつ低コスト化を実現している。しかも感度やS/N(信号対雑音比)などの音響特性の改善に加え,指向性を持たせるという機能付加もパッケージング技術により可能にしている。 Infineonは,こうした独自のパッケージング技術によって,MEMSマイク市場で先行する米Knowles Electronics社の追い抜きを狙っている。

 MEMSデバイスの高付加価値化をパッケージングにより実現している事例として,ドイツInfineon Technologies AG のMEMSマイク(Siマイク)を採り上げる。一般にMEMSデバイスは,LSIに比べて,パッケージングで性能や価値を高めやすい注1)。多額の設備投資を必要とする微細な製造プロセスによらず,構造の設計や実装手法という多様な技術力で高付加価値化できるデバイスの典型といえる。

注1)一般にLSIではチップの価値がパッケージングで高まることは稀である。放熱性能などの面でチップの性能を劣化させないことがパッケージには求められる。これに対して,MEMSデバイスではパッケージで性能を向上させることができる。音,力,熱,光など,電子信号以外の物理量を扱うことから,外界とチップを仕切るパッケージの役割が重要になる。

Infineonとホシデン,実装でKnowlesに対抗

 MEMSマイクは,MEMSデバイスの中でも各社が実装技術を高い水準で競い合う“頂上決戦”がなされる分野である。これは,MEMSデバイスの中で市場規模が最も大きく,急成長していることによる。MEMSマイクの出荷個数は,顕在化しているだけでも主に携帯電話機向けに年間20億個以上が見込める注2)。このため,10社以上が参入を表明している。各社は,デバイスの付加価値を左右するパッケージング技術に多大なリソースを投入して,大量生産時の高信頼性と低コスト化の両立を図っている。こうした技術競争は,大量生産型MEMSデバイスの中で最も熾烈といえる。

注2)既存の小型マイクの市場では大半をECM(electret condenser microphone)が占めている。この市場規模が20億個以上である。MEMSマイクは,ECMに対して高価だが多くの利点を備える。小型・薄型であること,ハンダ・リフローによって高信頼性での自動実装が可能になること,である。既存のECMは手作業による組み付けで実装していたため,高い信頼性での電気的接続を確保できないという欠点があった。機器出荷後の不良の原因となるため,多くの携帯電話機メーカーが,ECMからMEMSマイクへの置き換えを進めていく意向である。MEMSマイクの現在の出荷個数は年間4億個,単価は40円前後のため,市場規模は100数十億円である。将来的には数十億個,1000億円規模に膨らむ可能性がある。出荷個数が拡大するのは,携帯電話機以外にも広がりを見せていることによる。デジタル・カメラやゲーム機などの民生機器のほか,自動車,産業機器などである。生活環境のありとあらゆる個所にばらまかれるユビキタス・センサーとしての利用が進む可能性もある。

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