3DSでは通信機能を拡充している(a)。中でも、P2Pによる3DS同士の直接通信を可能にする「すれちがい通信」を大幅に強化した(b)。この他、自動的にコンテンツなどを配信する「いつの間に通信」を新たに導入した。
3DSでは通信機能を拡充している(a)。中でも、P2Pによる3DS同士の直接通信を可能にする「すれちがい通信」を大幅に強化した(b)。この他、自動的にコンテンツなどを配信する「いつの間に通信」を新たに導入した。
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 裸眼3Dディスプレイの搭載で注目を集める、ニンテンドー3DS。しかし、これは3DSの特徴の一つを示しているにすぎない。3DSに盛り込まれた新機能を見ていくと、同社が並々ならぬ思いを込めて、「ソーシャル性」を追求していることがよく分かる。

 ここでのソーシャル性とは、ゲーム機の利用を通じてユーザーが周囲の人も巻き込みながらゲームを楽しんでいくような、「楽しさの共有」を言い換えたものである。

 3DSではソーシャル性を高めるために、大別して二つのアプローチを取る。一つは、他の3DSユーザーとの交流を深めるために、無線通信機能を利用する手法(図)。もう一つが、周囲の人が思わず画面をのぞき込んでしまうような「誘う」機能の利用である。

 無線通信機能を利用して交流を促す手法として3DSで大幅に強化されたのが「すれちがい通信」である。同通信を使えば、周囲にある他の3DSを自動的に探して無線LANで直接通信し、3DSに収めたデータを交換できる。待機状態にしておいてもすれちがい通信が実行されるので、かばんの中に入れたままでもよい。

 すれちがい通信には二つの特徴がある。「受動的に」ユーザーと情報交換して交流を楽しめることと、ユーザーのプライバシーをある程度守れることだ。

 すれちがい通信では、あらかじめ設定した動作モードに沿って、メッセージやデータを自動的にほかの3DSとやりとりする。SNSなどでわざわざ文章などを書くのが面倒だと感じるユーザーにとっては、うってつけの機能といえる。

 3DSでは、このすれちがい通信をさらに進化させている。従来のDSシリーズですれちがい通信を行う際には、同通信に対応する専用ゲーム・ソフトのカートリッジをDS本体に差し込んだ上、特別な設定を行う必要があった。一方、3DSでは専用ゲーム・ソフトのカートリッジは不要で、3DS本体だけで複数のゲーム・ソフトのすれちがい通信を同時に実行できる。
――続く――