神澤 公氏
神澤 公氏
ローム
研究開発本部 副本部長

高江 慎一氏
高江 慎一氏
厚生労働省
医療機器審査管理室 室長補佐

八山 幸司氏
八山 幸司氏
内閣官房
医療イノベーション推進室 企画官

岩崎氏 確かに、さまざまな種類の医療機器がある(出てくる)中で、PMDAの人材だけでそれをすべて担当しろというのは無理だと思います。とにかく、多くの種 類があるわけですから、それぞれの医療機器に合った専門家を産業界も含めた外部から取り入れられるような仕組みを作ることが必要です。それによって、より 安全で迅速な医療機器の承認につながります。

中野氏 規制について、改革を進める立場である医療イノベーション推進室としては、どう考えていますか。

八山氏 現在の一つの問題は、さまざまな制度やガイドラインが技術の進歩に追い付いていないことです。実際に審査しようと思っても、既に時代遅れの制度になっていて、なかなかスムーズにいかないわけです。

 そうは言っても、法律を変えるのは大変です。数年間という時間も掛かります。ですから、将来の技術を見据えて法律を変えていくことも大切ですし、すぐに制度を変えられる運用面の工夫などにより、できるだけ技術に追い付く努力が求められると思います。

中野氏 今後の医療機器には、組み込みソフトウエアが不可欠になります。ソフトウエアの規制が今後どうなるかについての関心も高いようです。

高江氏 ソフトウエアに関してどうするべきか、まさに議論中です。これから、さまざまな議論が出てくると思います。日本では今、ソフトウエア単体は医療機器とみなしていません。ですから、ソフトウエア単体の審査はせず、組み込まれた機器として承認しています。

 一方、米国やEUではソフトウエア単体で審査をしていますが、(ソフトウエア)業界も審査当局も大変苦労しているようです。FDA(米国食品医薬品局) では数百人のシステム・エンジニアを雇って審査をしていますが、バグは減らないようです。我々はこうした状況も見ながら、身の丈に合った形で、患者の安全 性を守れるように進めていきたいと思います。