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第2回 救急医療の現場が開発した「GEMITS」(2/2)

ICTを活用し、短時間での決断を支援

2012/10/30 00:00
出典: 日経エレクトロニクス,2011年6月27日号 ,pp.125-127 (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)
タイトル
小倉 真治氏
岐阜大学大学院 医学系研究科 救急・災害医学 教授 同大学医学部附属病院 高次救命治 療センター長
(写真:皆木 優子)

救急医療情報流通システム「GEMITS」。救急医療に必要な真のニーズを踏まえ、現場に携わる医師が自ら開発したシステムである。ICTの活用 により、時間との闘いを強いられる医師の決断を支援することを狙う。さらに同システムは、将来の医療インフラ/医療サービスのあるべき姿まで見据えている。このシステムの概要について、開発者である小倉氏が語る。(小谷 卓也=日経エレクトロニクス)

既に効果を発揮

 MEDICAの効果について、我々は実験で確認した。疑似的な患者を用意して、救急隊員が患者の情報を聞き出す(読み出す)という実験である。その結 果、まず患者の意識が正常な場合には、カードを持っていても、持っていなくても、情報を聞き出す(読み出す)までの時間にほとんど差はなかった。

 しかし、意識が混乱している際(意識レベルが正常時に比べて3割程度低下した場合)には、カードを持っているか否かで大きな差が出た。カードを持ってい れば約60秒でデータを全部読み出せたのに対し、カードを持っていない場合に情報を聞き出すには5割ほど余計に時間がかかった。

 もっとも、意識がない場合には、患者は何も答えてくれない。前述のように、投薬歴などについては家族であっても答えられない。この場合の差は明らかである。

 実際に、患者がMEDICAの恩恵を受けたケースは既に幾つも出てきている。岐阜県では、一度救急搬送を経験したことがある患者を中心に、5500人以 上がMEDICAを保有している。このうち3.6%の患者は、MEDICAを持って再び救急車で搬送されたのである(図4)。

図4 救急搬送におけるMEDICAの効果
図4 救急搬送におけるMEDICAの効果
岐阜県を中心に実施している取り組みにおける効果の例を示した。

 特に、重症の患者が多い脳神経外科の受診者では、MEDICAを保有して再度救急搬送された率は11%と高い。同じく重症患者が多い循環器内科について も、再搬送率は6%と高くなっている。これらのケースでは、MEDICAを保有していたことによってスムーズな情報のやりとりができたとみられる。

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