設計力向上 開発手法と支援ツールの動向・事例
 

第3回 公差設計の実践

重点管理ポイントを製造側に明示、公差設計の再構築で企業力向上

栗山 弘=プラーナー 会長
2015/02/24 14:45
出典:日経ものづくり、2008年3月号 、pp.123-126 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 実際の設計現場での公差計算では,互換性の方法でも不完全互換性の方法でも,単純に足したり2乗和の平均を取ったりするだけではない。部品の寸法と製品の要求する位置関係から,レバー比(支点からの距離の比率)の計算が必要となることも多い。言い換えると,公差が拡大したり縮小したりすることがあるから,これを計算に入れなければならない。

公差にレバー比を掛けて合成

 図1の例で見てみよう。定盤Pの一部に支点Bがあり,ブロックFが載っている。ブロックFにはピンCがあり,レバーGがかん合している。レバーGは上方よりバネSで押されており,A,B,C点は水平線上にあって,定盤の面からの高さが15.0mmである。ここでブロックFを置き換えたら,ピン位置のばらつきのためCの高さが15.1mmになった。このとき点Aの定盤からの高さはどうなるだろうか(レバーとピンCのかん合部分のガタはないものとし,レバーは軽く回転するものと考える)。

図1●レバー比による公差の拡大
図1●レバー比による公差の拡大
A,B,C点は水平線上にあって,定盤の面からの高さは15.0mm。ブロックFを置き換えたら,ピン位置のばらつきのためCの高さが15.1mmになった。このときA点の定盤からの高さはどうなるか。

 この場合,A,B,Cを結ぶ線は左下がりになり,定盤面からA点までの高さは低くなるはず。ただ,レバーの反対側が0.1mm高くなったからといってA点も0.1mm低くなるわけではない。支点を中心としてレバー右側の長さが25mm,左側の長さが75-25=50mmだから,支点からの距離の比は25対50=1対2(レバー比=2)。右側が0.1mm上がると,左側は2倍の0.2mm下がり,つまりA点の高さは14.8mmになる。

 このように,公差の計算では個々の公差値に対して支点からの距離の比を掛ける必要がある。この比をレバー比と呼ぶ(感度と呼ぶこともある)。

ガタもレバー比で考慮

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