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第35回:不具合の未然防止(5)

宮木 邦宏=O2 技術ディビジョン シニアコンサルタント
2012/12/27 00:00
出典:日経ものづくり、2011年3月号 、pp.75-77 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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開発初期段階での仕様の明確化

 第一に取り組みたいのは、開発初期段階での仕様の明確化(製品仕様の見える化)である。製品に対する理解不足の原因は、ほとんどの場合、これを疎かにしていることにある。

 この取り組みでは、製品企画や構想設計初期段階において、市場や顧客の要求を満たすためにどのような原理や技術を採用し、どのように製品内部での処理を実行させ、製品としての魅力はどこで出すのかを、詳細に書き出していく。同時に、技術的課題や機能/性能/耐久性/信頼性/安全性における懸念や、実現する上での矛盾点を明確にしていく。

 製品仕様の見える化というと、QFD(品質機能展開)を思い浮かべる方が多いだろう。最近ではTRIZ(発明的問題解決法)を利用し、矛盾点の解決を図りながら仕様を決めていく企業も増えているが、どのような手法を使うにしても、要は開発の初期段階で、品質を高めるための仕様明確化の作業をきちんと行うことがポイントである。

 ただし、顧客要求分析の色彩が強いQFDや、展開レベルの浅いQFDでは、不具合未然防止には結び付きにくい。対象となる製品で採用する技術や原理、機構といったレベルまで項目を展開することが肝要だ。

 こうしていくことで、機能を作り込む際に発生する「弱み」、例えば、軽量化によって強度が犠牲になるといったトレードオフや、摩擦という原理を採用したときに出現する熱発生という反機能*1などを探しやすくなる。さらに、それらの項目をキーワードとして、TRIZを用いた検討やナレッジの活用、FMEA/FTAの実施が容易になる。

*1 反機能 設計意図の範囲にない機能を指す。正機能(設計意図の範囲にある機能)を実現する上で副作用として発現するもの。

 ここで展開された製品要求仕様項目を過去に開発した機種と照らし合わせ、開発済みの技術やモジュールを利用できるかを確認し、新規に開発するところをできる限り絞り込む検討も行うとよい。これにより、技術やモジュールの流用率も上がり、不具合発生のリスクも開発工数も低下するからだ。

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