7軸同時制御で死角を減らす

 プロペラの表面など、複雑な形状を段取り替えなしで加工するため、同時5軸制御の工作機械を使うユーザーは多い。しかし、5軸制御でも加工できない形状はあり、そのニーズに応える形でキタムラ機械(本社富山県高岡市)が開発したのが、同時7軸制御のMC「MYCUBE」だ(。同社代表取締役社長の北村彰浩氏は「最先端分野の加工ニーズに対応するために開発した」と胸を張る。

* 価格は6789万円。今回の新製品は、経済産業省の「高度機械加工システム開発事業」の一環として開発された。

図●キタムラ機械の同時7軸制御のマシニングセンタ「MYCUBE」
直線駆動のX/Y/Z軸、回転・旋回のA/B/C軸、主軸頭の駆動用のW軸という、計7軸の同時制御システムを採用。段取り替えレスによる加工の範囲を拡大する。

 MYCUBEでは、ワークの面数が6以下であれば1回の段取りですべての面を加工できる。ものづくりの潮流が、少品種大量生産から多品種変量生産に移行している中、同社では段取り替えにかかる時間が極力短くて済む機械が求められると判断し、新製品を開発したという。 段取り替え時間が少なく、機械の停止時間が短いので、設備投資の回収を早期に行えるという利点がある。