次世代工場 工場の将来像が見える
 

第11回:戦略4--投資ゼロでコージェネ大改造(下)

アスモ 本社工場

高野 敦=日経ものづくり,高田 憲一=日経ものづくり
2012/08/06 00:00
出典:日経ものづくり、2011年7月号 、pp.38-65 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 第10回で紹介したように、アスモ(本社静岡県湖西市)では、コージェネシステムを導入している。発電量は本社と本社工場を合わせた消費電力量の1/3なので、全てを使い切れる。ところが熱に関しては、大きなムダが2つあった。

蒸気で圧縮空気を造る

 1つめの高圧蒸気は、圧縮空気に変換する。本社工場では、生産ライン上でのモータ部品の搬送などに圧縮空気を使うので大きな需要がある。そこで注目したのが蒸気アシストエンジンだ。「発電所向けに一部実用化しているが、蒸気で圧縮空気を造るために使うのは、恐らく世界で初めて」(同社安全環境部施設室主任部員の山本忠夫氏)という同エンジンは、高圧蒸気を吹き付けて内部のスクリュを回して回転力を得る仕組み。モータ駆動のターボ式圧縮機の回転軸につなぐことでモータを補助できる(図1)。

図1●蒸気アシストエンジンで圧縮機のモータを補助
排ガスボイラから供給される高圧の蒸気によって蒸気アシストエンジンを回転させ、圧縮機のモータを補助する。同エンジンの出力は250kW。造った圧縮空気は、工場の動力源として利用する。
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 モータの出力が810kWに対し、同エンジンの出力は250kWなので、約3割の節電が可能になる。この圧縮機は、30年以上使った低効率の圧縮機2台を代替して導入したため、効率向上による節電効果も得られた。

 さらに、スクリュインバータ式圧縮機も導入して、圧縮機全体の稼働制御にまで踏み込んでいる。同方式の圧縮機は、圧縮空気の発生量を連続的に変えられるのが特徴だ。7台あるターボ式圧縮機(1台は蒸気アシストエンジン付き)は圧縮空気の発生量が一定のため、従来は発生量が需要を上回るパターンで稼働せざるを得ず、その分がムダになっていた(図2)。しかし、同方式の圧縮機を組み合わせることで、需要に合ったムダのない稼働が可能になった。

図2●スクリュインバータ式圧縮機を活用して節電制御
圧縮空気の発生量を連続的に変えられるスクリュインバータ式圧縮機を新たに導入したことにより、需要に合わせて圧縮空気を供給できるようになった。階段状の赤色の点線が、従来制御による蒸気の供給量。それを青色の直線で示したようにムダなく供給する。黄色の部分がスクリュインバータ式圧縮機が供給する分。
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