ソーシャルゲームの制作は“専門家”に任せる
――ソーシャルゲームへの取り組みについて伺います。Mobage向けに展開していた『レイトン教授ロワイヤル』に続いて、GREE向けの展開も発表しましたね。
日野氏:この春にスタート予定の『二ノ国大冒険モンスターズ』のほか、『イナズマイレブン・アツメヨーゼ!!(仮)』『ダンボール戦機 ハイグレードカスタム(仮)』を発表しました。
ソーシャルゲームにビジネスをシフトさせていく、ということではありませんが、ソーシャルゲームにも本気で取り組んでいきます。
――ソーシャルゲームも日野さん自身が監修されるのですか。
日野氏:全部はできないですが、『イナズマイレブン・アツメヨーゼ!!(仮)』や『ダンボール戦機 ハイグレードカスタム(仮)』に関しては、ガッツリかかわっていこうと思っています。
――実際の制作にもレベルファイブのクリエーターが担当するのですか。
日野氏:今は、社内で無理にチームを作ろうとはしていません。レベルファイブからは、僕を含めて企画のアイデアを出したり、グラフィックのテイストを提供したり、世界観に基づいたディレクションをしていますが、実際の制作は、パートナーの中のチームだったり、外部の開発会社の“専門家”にお願いするようにしています。
――では、現在の制作リソースをソーシャルゲームに振り向けていくわけではないのですね。
日野氏:それはありません。僕も実際にいくつかのソーシャルゲームのタイトルを作る過程を見ていますが、クリエーターにとっての気持ち良さが、家庭用とは根本的に違うと感じています。
家庭用ゲームのクリエーターは、映画のようなストーリー展開で感動させるドラマ性や、触った時の心地良さなどに注力しますが、ソーシャルゲームのクリエーターは、ゲームの“ルール作り”の部分に気持ち良さを感じていると思います。
どのタイミングでどういった仕掛けをするとか、多人数のユーザーがどう競い合うと楽しいか、といったことを考えることに面白みを感じ、心底、そこに気持ちを向けていると思います。
ITを学び、ネットワークやソーシャルの“水”で育ってきた人たちは、そこにちゃんと気持ちを向けられるので強いですよね。そういう人たちを会社に入れてビジネスを立ち上げるなら良いのですが、今、抱えているメンバーに「ソーシャルをやって」と言っても、多分うまくいかないと思っています。
――クリエーティブの領域が違うということですね。
日野氏:そうですね。