「今、ゲームほど恵まれた産業はない」――ユーザーニーズの変化が成長の追い風に

カプコン

2012.05.29

スマートフォン戦略はグローバルな視点で展開

――2011年は年末に発売した『モンスターハンター3（トライ）G』（3DS）がヒットしましたが、昨年1年間のコンシューマ・オンラインゲーム事業についてはどう見ていますか。

辻本氏：国内市場では、2011年12月に発売した3DS向け『モンスターハンター3（トライ）G』が、発売から10日あまりで100万本を出荷し通期計画本数を早々に達成するなど当初予想を上回る売れ行きを見せ大ヒットとなりました。

　新しいハードウエアでも『モンスターハンター』が100万人以上の方に支持されたというのは大きな収穫です。我々のビジネスはハードの普及と密接に関係しています。ハードメーカーと協力しながら、各ゲーム機で多くのユーザーに遊んでもらえるような良質なコンテンツを出していくというのは、我々ゲームメーカーにとって責務と言えます。

　また、海外市場では、2011年2月に発売した3DS向け第1弾タイトル『スーパーストリートファイターIV 3D EDITION』がミリオンを達成したことに加え、プレイステーション3およびXbox 360向けの『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』も200万本を突破するなど健闘しました。

――昨年は4月に、スマートフォン向けのビジネスを推進するため、カプコンとは全く異なるコンセプトを持つ別ブランド「ビーライン」を立ち上げましたがそちらの成果はいかがでしょうか。

辻本氏：ビーラインブランドについては、Facebookと連動したソーシャルゲームの『スマーフ・ビレッジ』や『スヌーピーストリート』などビーラインタイトルの累計ダウンロード数が、全世界で4600万件に到達し、前年に比べて売上、利益共に大きな伸びを示しています。加えて『ゾンビカフェ』や『リル・パイレーツ』などのオリジナルタイトルもグローバルにリリースし、国や地域ごとの嗜好や収益化の方法について、経験を蓄積しつつあります。

　現状は海外売上が半分以上を占め、キャラクターなどの絵柄も海外向けのように思われるかもしれません。しかし、『スヌーピーストリート』は日本やアジアで健闘しておりキャラクター設定が受け入れられているようです。私も『ゾンビカフェ』をやっていますが、最初はキャラクター選びで戸惑いましたが、次第に愛着がわいてきて面白いですよ（笑）。

『モンスターハンター3（トライ）G』

『バイオハザードリベレーションズ』

『スーパーストリートファイターIV 3D EDITION』

『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』

【価格】6990円（税込）、【発売時期】日本：2011年2月17日、北米：2011年2月15日、欧州：2011年2月18日、【プラットフォーム】「プレイステーション 3」、「Xbox 360」、「PlayStationVita」　TM & (C) 2011 Marvel Entertainment, LLC and its subsidiaries. Licensed by Marvel Characters B.V. www.marvel.com. All rights reserved.(C)CAPCOM CO., LTD. 2011, (C)CAPCOM U.S.A., INC. 2011 ALL RIGHTS RESERVED.

『スマーフ・ビレッジ』

【価格】アイテム課金制、【発売時期】（日本語版）日本：2011年7月15日、（英語版）カナダ：2010年11月4日、全世界：2010年11月11日、【プラットフォーム】iPhone / iPod touch / iPad / Android　(C) Peyo - 2010 - Licensed through Lafig Belgium - www.smurf.com. All game code 　(C) 2011 Beeline Interactive Japan, Inc.