ものづくりを新たに発展させていくためには、同業他社や異業種とコラボレーションを深めていく必要がある。さらには、コラボレーションの相手が顧客になる可能性もあるだろう。手段としては、ITのクラウドが有効だ。インターネット上のソーシャル・ネットワークなどを使えば、顧客やこれから顧客になりそうな人々を巻き込むことができる。

 では、顧客とのコラボレーションを実現するためには、どのようなことが必要なのか。2010年冬に『日経ものづくり』と『日経コンピュータ』で発行した書籍『クラウドものづくり』から、川口盛之助氏〔アーサー・D・リトル(ジャパン)アソシエート・ディレクター〕の寄稿を転載する。

川口 盛之助(かわぐち もりのすけ)
アーサー・D・リトル(ジャパン) アソシエート・ディレクター
慶応義塾大学工学部応用化学科卒業、米University of Illinois化学大学院修士課程修了。日立製作所で製品、生産技術、材料の開発に携わった後、KRIを経てアーサー・D・リトル(ジャパン)に参画。製造業各社の事業戦略の立案、技術開発マネジメントの改革などを担当する。著書に『オタクで女の子な国のモノづくり』(講談社)がある。