4気筒から3気筒、3気筒から2気筒。燃費の良さを売り物にする小型車は、気筒数の少ないエンジンを積むことが多くなった。気筒数が少ないと、燃費は良くなり、小型にもできる。それと引き換えに、間違いなく振動・騒音は大きくなる。それを克服し、燃費と振動・騒音を両立する技術が登場し始めた。4気筒エンジンの出番がなくなる時代が来るかもしれない。
連載
低炭素時代のエンジン設計 もう4気筒なんていらない
目次
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Part 4:軽自動車用エンジンは燃費勝負
小径プラグでボアを小さく しっかり冷やして点火時期を早める
軽自動車は元々3気筒、“ガラパゴスエンジン”である。1気筒あたりの排気量は最適値とはほど遠い220mL。各社は快適性でなく燃費で戦うことになる。2輪譲りの小径プラグを生かしてロングストロークにしたエンジンが現れた。冷却を強化し、点火時期を早めることによってトルク、燃費を向上したエンジンもある。
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Part 3:行き着く先は2気筒か
不等間隔爆発で2次振動を抑える トルク変動には巨大なフライホイール
今のところ、4輪車で現実的に一番少ない気筒数は2気筒だ。振動を減らすことは、3気筒よりさらに難しいが、各社それぞれに対策をした。既に商品化したイタリアFiat社は1軸のバランスシャフトを使った。オーストリアAVL社はレンジエクステンダの利点を生かし、不等間隔爆発を選択した。YGKはフライホイールを大…
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Part 2:1L超えでも3気筒
振動・騒音で4気筒に負けない ウエイト、マウントにそれぞれの工夫
日産自動車が1.2L、AVL/Renault社が1.1L、Lotus社が1.3L。以前ならば迷わず4気筒にする排気量だ。燃費を重視する現在、各社とも3気筒を選択した。このうち日産、AVL/Renaultは比較の対象となる4気筒エンジンに比べて、騒音・振動で同等以上にするという方針で設計に臨んだ。
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Part 1:小さなエンジン、少ない気筒
減らせば減らすほど効率に有利、振動に不利
クルマがどんどん小さくなる。エンジンが小さくなり、それに従ってエンジン排気量も小さくなる。一方、1気筒あたりの排気量には最適値があるから、気筒数も減る。