近年、中国は急速に知財大国へと変貌しています。図1は2001~2011年における日本と中国での特許出願件数を示したものです(日本の2011年は速報値)。

図1●日中の特許出願件数の推移(2001~2011年)

 この図に示すように、過去11年間において日本の特許出願件数は2011年の約44万件から少しずつ減少し、この2~3年は34万件台に落ちています。一方、中国の特許出願件数は2001年の約6万3000件から右肩上がりに増えており、2010年には日本を抜きました。2011年の特許出願件数は、約52万6000件に達します。この11年間を比べてみると、日本が2割減であるのに対し、中国は7.3倍に急増しています。

実用新案や意匠の出願も増加

 中国では、特許の出願件数だけが増加しているわけではありません。図2は、過去7年間の中国特許、実用新案(以下、実案)および意匠の出願件数の推移を示したものです。この図から分かるように、中国では実案出願と意匠の出願件数も年々増加しています。特に実案の出願件数は特許以上のペースで増えており、2011年には約58万5000件にまで達しました。

図2●中国における特許/実案/意匠の出願件数の推移(2005~2011年)

 これらの出願では、中国国内出願人によるものの割合が大きく占めています。2010年を例に取ると、特許出願の約75%、実案出願の約99%、意匠出願の約97%が中国国内からの出願でした。

 中国での特許/実案/意匠出願件数の急増は、もちろん中国政府による技術革新国策の推進が大きく関わっています。それに加え、知的活動における権利保護の重要性が徐々に中国企業や中国国民に浸透してきた結果、自己の知的財産を保護しようという意欲が高くなってきていることを表しているともいえます。