2012年4月に、新しい原子力規制組織として「原子力規制庁」(仮)が発足する。しかし、組織を新しくしただけで規制の実効性が高まるわけではない。原子力開発の経験を持ち同分野に造詣の深い桜井氏に、これまでの規制の問題とあるべき姿を解説してもらう(日経ものづくり)

桜井 淳(さくらい・きよし)
物理学者・技術評論家
1946年群馬県生まれ。1976年に東京理科大学理学研究科物理学専攻課程を修了し、同年から旧日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)で材料試験炉(JMTR)の炉心安全解析に従事。1984年から旧原子力工学試験センター・原子力安全解析所(原子力安全基盤機構システム安全解析部)で原子力発電所安全審査のためのクロスチェック安全解析に携わる。1988年に原子力工学試験センターを退職し技術評論家となる。原子力発電の安全に関わる技術評論を中心に著書多数。