エネルギー
 

第6回:系統との連係機能に焦点

東 聖、西尾 直樹 = 三菱電機
2012/02/24 00:00
出典:Green Device magazine、2011年冬号 、pp.56~59 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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分割制御でシステム効率を向上

 太陽電池モジュールの接続方法の改良では、① ストリング、② マイクロコンバータ、③ マイクロインバータ、という三つの方式が開発され実用化が始まった(表1)。

表1 パワー・コンディショナの方式と特徴
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 いずれも、多数の太陽電池モジュールを一括で管理するのではなく、太陽電池モジュールのグループを小分けにして管理することで日陰問題などに対処するものだ。

 現行の一般的なシステムでは、所望のシステム電圧となるように太陽電池を直列接続した後、必要な電力が得られるよう並列接続してパワー・コンディショナに入力する。太陽電池は、出力が最大となる最適な動作点付近で、入射する太陽エネルギーにおおむね比例した電流を出力する電流型に近い特性を示す。これを直列接続すると、その中の最も電流の小さい太陽電池モジュールの電流で全体の出力が制限される。つまり、特性の悪い太陽電池モジュールが一つあると直列回路全体の特性の低下を招いてしまう。

 これを避けるため従来システムでは、個々の太陽電池モジュールにバイパス・ダイオードを内蔵し、影などで日射が少ない太陽電池モジュールをバイパスして切り離し、直列回路全体に影響が及ばないように動作させる手法を取る。だが、このときバイパスした太陽電池の発電電力は利用できなくなるという問題が生じる。

 この直列回路と、別の直列回路を並列接続すると、電圧が等しくなる。最適な動作点からずれた点でパワー・コンディショナのMPPTが動作することになり、さらに出力が低下する。こうした問題を解決するには、太陽電池モジュールの小分け管理が避けて通れない。

複雑化による信頼性低下の克服が必要

図7 ストリング方式の構成
太陽電池の直列回路単位でMPPT機能を搭載したもの。直列回路ごとに最大電力点をトレースできるので、全体としての効率が高まる。
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 ① のストリング方式は、太陽電池の直列回路単位でMPPT機能を搭載したものである(図7)。直列回路ごとに最大電力点をトレースできる。最大電力点の電圧が異なるストリングを直接並列に接続する際の損失が発生しない。また、それぞれの直列回路を構成する太陽電池モジュールの数や出力が異なるシステム構成でも太陽電池の電力を無駄なく取り出せる。各ストリングの電圧、電流、電力を監視する機能を有しており、ストリングごとの健全性の確認に活用可能だ。

図8 マイクロコンバータ方式の構成
太陽電池モジュールごとにコンバータを有する。各コンバータからは同じ電圧が出力されるように昇圧し、インバータに送り込む。設置時など、太陽電池モジュールで電力を発生させたくないときには、マイクロコンバータからの出力を停止することも可能。
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 ② マイクロコンバータ方式は、太陽電池モジュール単位のMPPT制御を可能にした方式である(図8)。小さなコンバータ回路を太陽電池モジュールごとに追加するか、あるいは太陽電池の端子ボックスに内蔵する。コンバータ回路により回路の出力電流が等しくなる点で動作できるように太陽電池の電圧・電流特性を変換し、その上で各回路の出力を直列接続した後にインバータで交流に変換するというシステム構成になる。

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