受注生産であっても,単純に顧客の要求のままに製品を造るのではなく,より品質が良くて安価なものを提供することが求められている。これを実現するために,見込み生産で使われてきたBOM(部品表)の導入が注目を集め始めた。最大の眼目は,「繰り返し」作業をうまく実行すること。QCD(品質,コスト,納期)の改善につながる「繰り返し」を支援することこそ,BOMの役割だ。
連載
受注生産を効率化する決め手,部品表で「繰り返し」のリズムをつくる
目次
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第4回:機種間にまたがったID
さらに「組立ラインへの供給物」に振るIDは,号機や機種系列を超えて一意に決まるものにする。これも「繰り返し」を徹底させるためだ。
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第3回:繰り返しの単位をそろえる
部門間で共通運用できるBOMを実現するカギは,一つは「繰り返し」の単位をうまく決めること,もう一つはその繰り返し単位にユニークな識別番号(ID)を振ること。当たり前のようだが,基本的にはこれで「何を繰り返すか」の情報が正確に伝わることになる。
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第2回:仕様決定時期を引き付け可能
生産現場と営業との連携も必要になる一方で,逆にいえば緊密な連携動作も可能になる。もともとモジュラー設計を始めたのは「顧客の要望に応えることを,顧客の言いなりになることと勘違いしていたという反省が,一つのきっかけだった」(オムロン公共ソリューション事業部事業企画課長の田中廣介氏)。そこで,受注仕様と製…
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第1回:部品表を受注生産に応用する
受注生産の分野でも,品質・コスト・納期(QCD)に関しての条件が厳しくなっている。納期通りに個々の顧客の要望通りのものができてこないケースが以前より増えてきた。そこで,受注生産であっても,さまざまな顧客に対して共通に供給できるモジュールを用いるなどしてQCDの改善を図ろう,という取り組みが多くの企業…