ファウンドリー企業が,圧倒的な生産能力により,世界のLSI生産を一手に引き受け始めている。 LSI生産とともにかき集めたノウハウや知見を生かし,技術力でも世界の先頭集団に躍り出る。 機器メーカーは「メガメジャー」化しつつあるファウンドリー企業とどう付き合うべきなのか。
半導体メガメジャー,量と質で世界を席巻
目次
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第7回:後工程受託メーカーは新たな領域に進出
大手の後工程受託メーカーは,Cuワイヤ対応による既存事業のシェア拡大とともに,事業領域の拡大も狙っている。その一つが, TSV(throughsilicon via)を使った3次元実装技術や,部品内蔵技術,そして受動部品をSi基板上に作り込むIPD(integrated passive device…
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第6回:顧客の多様化で技術重視へ
快進撃を続けるファウンドリー企業とともに,半導体の後工程受託メーカーも勢いを増している。規模拡大だけでなく,技術開発にも積極的である。従来のパッケージ組み立て技術に加えて,モジュール技術も手中に収めつつある。
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第5回:技術戦略が大きく分かれる
32nm世代以降で各社が導入するhigh-k/メタル・ゲートには大きく二つの製造方式がある。この選択の違いが,機器メーカーや半導体メーカーにとって,生産委託先の重要な選択基準となるだろう(図3)。
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第4回:微細化はまだまだ続く
スマートフォンやタブレット端末など,機器の進化は今後も半導体技術の微細化を前提にする。心臓部を担う論理LSIの受託生産を巡り,ファウンドリー企業による競争が激化し始めた。どのファウンドリー企業を選ぶか,五つの指標で比較した。
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第3回:微細化で先頭集団に
微細化の先陣を切るのはIntel社や米IBM Corp.で,ファウンドリー企業はそれを追走する─。これまで不変だったこの構図が変わりそうだ。論理LSIの微細化時期について,Intel社とTSMCを比べてみよう(図8)。90/65/45~40nm世代では,いずれもIntel社が先陣を切り,TSMCが約…
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第2回:投資ラッシュのTSMC
ファウンドリー企業は,さらなる攻めに出る。ファブライト化を進める国内半導体メーカーなどを尻目に,2010年以降,従来の2~3倍の額の大規模な設備投資を敢行する方針を打ち出した(図4)。
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第1回:新興国向けのLSI生産基地へ
「このまま日本の大手半導体メーカーと一緒に,デジタル・カメラなどに搭載する心臓部(SoC:system on a chip)を開発していると,いつか行き詰まるかもしれない」。オリンパス 常務執行役員 デジタル技術開発本部長の栗林正雄氏は,LSI開発に関する危機感をあらわにする(図1)。