GaN系パワー素子におけるスイッチング周波数の向上が可能になる一因は,キャリアとなる電子の移動度が高いことである。IR社のGaN系パワー素子は,AlGaN層とGaN層を接合させた「HEMT構造」を採る(図3)。このとき,両層の界面付近には「2次元電子ガス」が発生する。このガス内では,電子が高速で移動できるため,スイッチング速度の高速化が可能になる。電力損失が低いのは,導通時の抵抗値が小さいからである。このほか,スイッチング損失も小さい。
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