巨大地震に端を発する電力/ガス/工業用水など各種ユーティリティーの供給停止、物流の混乱、頻発する余震、そして原子力発電所問題・・・。2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響は、今も収まる気配を見せない。だが、こうした厳しい環境にあっても、生産活動を素早く再開させた東北地方の企業は少なくない。

それら企業に共通するのは、サプライチェーンから外されるのではないかという危機意識と、そうした事態を何とか防ごうという強い意志だ。リスクを少しでも回避しようとする調達側企業の「西日本シフト」「海外シフト」が現実に起きつつある中、どれだけ早く生産活動を再開できたかが重要な分岐点となる。

被災した企業は、手段や物資が限られている状況でどのように工場を復旧させていったのか。今後、部材の調達難や夏場の電力不足が予想される中、どのような課題を乗り越えなければならないのか。被災地域外の調達側企業には、何ができるのか。当事者の声を基に探っていく。