多くの被害を出した2004年10月の新潟県中越地震から1年が経過した。震源から約10kmの位置にある三洋電機の半導体工場では,生産ライン5本のうち,200mmライン1本を失うという痛手を被った。設備損失は423億円,機会損失は310億円に上る。その三洋電機の半導体部門が今,生まれ変わりつつある。震度7相当の直下型地震を経験した半導体工場は,世界的にもほとんど例がない。その貴重な経験を生かし,震災前よりも強い生産体制を構築した。ここでは,三洋電機が受けた被害の実態と,そこから学んだ対策の全貌を明らかにする。

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未曾有の震災経験をバネに強い生産体制を構築