• BPnet
  • ビジネス
  • PC
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

HOMEエレクトロニクス機器岐路に立つ電子ペーパー,カラーに向かうもiPadの壁 > 第5回:5~10倍の色再現範囲拡大も

岐路に立つ電子ペーパー,カラーに向かうもiPadの壁

第5回:5~10倍の色再現範囲拡大も

  • 小谷 卓也=日経エレクトロニクス
  • 2011/02/04 00:00
  • 1/1ページ

 ここまでは,現時点におけるカラー電子ペーパーの評価を紹介してきた。しかし,将来に目を向ければ,前述した(a)カラーの品質や,(b)コストという課題は改善される可能性もある。世界では今,さまざまな方式の電子ペーパーの研究開発が進められており,これらの中から,カラー電子ペーパーに対する評価を覆す技術が登場するかもしれない。例えばリコーは,カラーの品質を大幅に改善するためカラー・フィルタを用いず,色の3原色である「C(シアン),M(マゼンタ),Y(黄色)」の発色材料を用いてカラー化する電子ペーパーを開発中だ(図9)。「カラー・フィルタ方式の電子ペーパーと比較して,5~10倍の色再現範囲が見込める」(同社)という。2014年ごろの実用化を目指すとしている。

図9 CMYでカラー化
図9 CMYでカラー化
リコーが開発した電子ペーパーで,CMYの各色を表示させた様子(a)。単一のセルの内部に,CMY各色用の粒子を配置する構造を採る(b)。電流を流すことで,各色用の粒子の着色状態を制御する。(c)は,粒子の構造を示した。(図:リコーの資料を基に本誌が作成)

 この電子ペーパーは,電流を流すことで,透明な状態と発色した状態を変化させることができる「エレクトロクロミック材料」を用いる。同様の材料を利用した電子ペーパーは物質・材料研究機構(NIMS)なども研究開発を進めている(図10)。このほか,CMY方式によるカラー電子ペーパーの開発はオランダPhilips Researchも進めている(図11)。Philips Researchの電子ペーパーはE Ink社と同じく電気泳動方式の電子ペーパーだが,泳動させる粒子自体をCMYに着色している。

図10 エレクトロクロミック方式の電子ペーパー
図10 エレクトロクロミック方式の電子ペーパー
NIMSが開発した,エレクトロクロミック材料を利用する電子ペーパー(a)。このエレクトロクロミック材料は,有機材料と金属材料を複合させたものである(b)。
図11 粒子をCMYに着色
図11 粒子をCMYに着色
Philips Researchが開発した電子ペーパー(a)。2層重ねの構造を採る(b)。(図:Philips Researchの資料を基に本誌が作成)

 (b)のコストについては,E Ink社の強力なライバルが登場してくれば,状況は大きく変わってくる。「この1年以上,E Ink社の電子ペーパーの価格はほとんど下がっていないが,それは競合が存在しないからだ」(ある調査会社のアナリスト)。新方式の電子ペーパーが台頭し,E Ink社が市場をほぼ独占する状況が崩れれば,コストダウンも期待できる。

【技術者塾】(5/17開催)
キャパシタ応用を広げるための基礎と活用のための周辺技術


省エネルギー社会に則した機器を、キャパシタを上手に活用しながら開発するために、その原理と特長、信頼性、長寿命化、高密度化、高出力化などのセル開発の進歩とキャパシタの持つ課題と対応技術まで、実践活用に役立つ応用事例を示しながら学んでいきます。 詳細は、こちら
日程 : 2016年5月17日
会場 : BIZ新宿
主催 : 日経エレクトロニクス

おすすめ