図2●エレキシステムのモジュール化の手順
左下の回路ブロック図の出典:瀬口靖幸ほか『機械設計工学2 システムと設計』(培風館、1987年)
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(2)エレキシステムのモジュール化
 エレキシステムのモジュール化は、電気部品を実装するプリント配線基板の単位を標準化した上で、プリント配線基板/電源/ファンなどの基本機能ユニットのレイアウト〔これをエレキシステムのプラットフォーム(P/F)という〕を標準化することで行う。その手順を図2に示す。

 以下、図2の(I)~(VII)に沿って説明する。
(I)客先製品仕様を基に社内製品仕様(マスター)を作成。
(II)社内製品仕様(マスター)を組み合わせて製品ミックス(マスター)を作成。
(III)社内製品仕様(マスター)の中からP/Fの数を決める要因を抽出し、要因を単純に組み合わせたP/F数を展開。
(IV)(III)で単純に展開したP/F間で共用化を検討して絞り込み、最終的なP/F数を決定。
(V)(IV)で絞り込んだP/F単位で回路ブロック図(図2の左下)を作成し、回路ブロック図中の各機能(枠で囲った部分)を実現するために必要なプリント基板/電源/ファンなどの数を決定。
(VI)プリント基板の枚数、電源やファンの配置などエレキシステムのP/Fレイアウト決定項目を基に、複数のP/Fレイアウト案を作成。
(VII)複数のP/Fレイアウト案をP/Fレイアウト評価表で評価して、最終的なP/Fレイアウトを決定。

 (V)~(VII)は(IV)のP/Fの数だけ繰り返し、全ての製品ミックスをカバーするプリント基板種類数とP/Fレイアウトを決定する。最後にすべての回路ブロック図を眺めながら、プリント基板上に搭載する抵抗/コンデンサ/コイル/ICチップ/マイコンなどの電気部品の基本的な特性値と外形寸法値を標準化する。