ライフ・レコーダー専用端末の進化の方向性である高機能化や小型化については,冒頭で示した日立製作所の端末に,その一端が垣間見える(図7)。この端末は3軸加速度センサのほかに,温度センサや脈波センサを搭載しており,各センサがそれぞれ個別の情報(動き,皮膚温度,脈拍)を計測し続ける。無線機能も搭載している。データの送信は近距離無線規格ZigBee(IEEE802.15.4)を使い,パソコンとUSB接続した無線基地局を介してパソコンに無線送信する。
こうした高機能化を進めるに当たり,大きな課題の一つになりそうなのが消費電力である。24時間連続してデータを測定し続けるため,できるだけ電力を消費しないような工夫が不可欠になってくる。そこで日立製作所は,消費電力を低減するため,ms単位でセンシングとスタンバイを繰り返す駆動方法などを採用した。この駆動方法を採用しない従来機と比べて,消費電流は1/10の0.9mAになったという(図7(d,e))。同時にこの端末は,従来モデルに比べ体積を1/2にする小型化も図った。
5年後には絆創膏のように
もっとも,肌身離さず持ち歩くことを考えると,端末の大きさについてはさらなる小型化が求められる。実際,絆創膏ほどに小さいライフ・レコーダーを実現するための取り組みが,幾つか始まっている。