期待はずれのボタン
製品を手に取ると,ちょうどいい重さを感じる。同じく大きさも適度だが,少々幅があるのでちょっと手の小さい利用者には不便かもしれない。製品の側面はうまく仕上げてある。スムーズで丸みを帯び,親しみやすい。
ただし,滑らかな前面や筐体全体には,簡単に手の脂が付いてしまう。何度か手にしたり置いたりしているうちに,Preには指紋がべたべたと付いて,まるで1年も使っていたかのようになってしまった。画面を覆うガラスは,プラスチックの筐体よりも少しはましだ。筐体は,まるですべての指紋を写し取るかのようで,汚れが背面全体に付いてしまう。最新の「3GS」より前のiPhoneと同様,定期的に拭う必要がありそうだ。
製品の前面には,メインのボタンが二つあるように見える。ところが,上にある方を押してみると,ボタンでないことが分かった。見た目はボタンそのものなので,ちょっと残念に感じる。また,下のボタンを押して電源を入れようとしたところ,見かけは電源ボタンのようなのに,何も起きなかった。これにはがっかりさせられた。
キーボードを出してみる
キーボードは感触も音もいかにもプラスチックという雰囲気で,安っぽい印象がある。しかし,本体をスライドして,キーボードを出したりしまったりする操作は小気味よい。親指一本でできるのがいい。キーボードはしまった状態でかっちり閉じていて,こちらもいい感じだ。
ただしキーボードを出した状態では,縁の処理がプラスチックっぽく,鋭い。キーボードをしまったときの滑らかな仕上がりと対照的で,違和感がある。
Stefan:プラスチックの縁で,手を切ってしまいそうだ。これはまずい。
Chris:精巧な感じがして,いいんじゃないか。
カメラを配した背面では,本体をスライドすると現れる面をうまく使っている。ちょっとした鏡になっているのだ。多分,自分撮りをする際にファインダー代わりに使うのだろう。この鏡も指紋が付きやすい。鏡の端が鋭い上,取り付けた際の角度の制約から,すごく掃除しにくい。