テクノロジー・イノベーション 40年の歴史
自動車電話からユビキタス端末へ,インターネットとの融合も進む
アプリケーション編:携帯電話
出典:日経エレクトロニクス創刊1000号記念 特別編集版,2009年3月30日号
,pp.136-141
(記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)
今や一人に1台が当たり前のツールとなった携帯電話機。音声通信のみならず,デジタル・カメラや音楽再生,さらには動画撮影,地上デジタル放送の視聴まで可能となっている。こうした携帯電話機の発端は,業務用途が中心の「自動車・携帯電話」であった。例えばNTTが1980年代後半に発売したものは,重さが1kg程度あり,ショルダーホンといった風情である(図1)。当時の携帯電話機は,自動車内で企業ユーザーが利用するイメージであり,「走る重役室」と揶揄されることもあった。

図1 当初は自動車用途から始まった
(a)はNTTが出した携帯電話機と車内・車外兼用電話機。写真右の携帯電話機の重さは約900g。(b)はMotorola社が1989年4月に発表したマイクロTAC。小型電池パック利用時の重さは303g。(c)はNECが1990年2月に発表した「P3」で,重さは400g。(d)は松下通信工業(現パナソニック モバイルコミュニケーションズ)製の「デジタル・ムーバ P201HYPER」で,重さは93g(写真左)。NTTドコモが1996年に発売した。(e)は京セラ製の「CyberGiga TH181」で,重さは69g。ツーカーホン関西が1998年8月に発表した。(f)はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO203i」で,iモード対応端末ながら重さを69gと軽量化した。NTTドコモが2004年6月に発表した。(g)はmodu社が2008年2月に発表した携帯電話機で,重さは40.1g。GSM/GPRSに対応する。本誌1990年4月16日号,p.129,同1998年11月16日号,p.149,同2000年1月31日号,p.160,同2004年5月24日号,p.43から。
その「自動車・携帯電話」のイメージを大きく覆したのが,米Motorola, Inc.が1980年代末に発表した小型携帯電話機「マイクロTAC(Micro TAC)」である。連続通話時間は約30分(小型電池パック使用時)と短かったが,わずか300g程度で手のひらに収まるサイズの携帯電話機が登場したことで,関連業界は大騒ぎとなった。このマイクロTACの登場以来,携帯電話機は小型/軽量化の道を突き進むことになる。
バックナンバー
- 電子化がクルマにもたらした,クローズドな世界からの開放 2009/06/05
- MUSEからデジタル・ハイビジョンへ,開発人口の差で劇的な逆転 2009/05/29
- 自動車電話からユビキタス端末へ,インターネットとの融合も進む 2009/05/22
- 10年ごとにパラダイム・シフト,メインフレームからパソコン,クラウドへ 2009/05/15
- 携帯機器の普及を支えたLiイオン,19年間で約4倍に高密度化 2009/05/08
- 「夢の壁掛けテレビ」実現まで40年,シャープの町田会長発言が起爆剤 2009/05/01
- 「シンプルで速い」技術が勝ち残る,それがEthernetと光ファイバ通信 2009/04/24
- HDD対フラッシュ,携帯機器を巡り競合から共存へ 2009/04/17
- アナログ日本,復活へ「失われた15年」を取り戻せ 2009/04/10
- デジタル最適化だけでは不十分,アナログやソフトとの協調がキーに 2009/04/03
- 40年にわたり「ムーアの法則」を死守,設計ルールは10μmから1/200に 2009/03/30
記事中に誤りなど,編集部へのご連絡にはフッターのご意見/ご感想・お問い合わせをお使いください。













