システムLSI事業で成功するためには,国内メーカーは設計と製造を分離し,水平分業体制に移行しなければならない――。こう考えた経済産業省が主導して,国内メーカーの製造部門を統合した「共同ファブ」を立ち上げる構想があった。定評ある日本企業の製造力を集結し,世界で通用するSiファウンドリーを立ち上げる。一方で,製造に必要な大規模投資から解き放たれた各社は,設計力の強化に邁進できる。一挙両得を目指したこの構想は,結局うまくいかなかった。失敗の根底には,一体何があったのか。日経エレクトロニクスが2007年に掲載した連載記事で検証する。