図1◎技術研究車両「IVX-II」。
図1◎技術研究車両「IVX-II」。
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 富士重工業は東京モーターショーで、知能化を進めた技術コンセプト「IVX(Intelligent Vehicle X)-II」を出展した。「個々の技術は順次実用化を見込んで開発を進めている」(担当者)という。

 2003年8月に公開した技術車両「IVX」は、高精度のGPSシステムを使って自律自動運転することを目指していた(関連記事)。今回のIVX-IIは、高性能ECUとドライブ・バイ・ワイヤを導入したことでより知能化したクルマに進化させた。ステアリング、ブレーキ、スロットルバルブをバイワイヤで接続することで、ドライバーが意図する方向に制御を支援する。
 
 車載LANは、これまではCAN(伝送速度1Mbps)を使っていたが、今回は航空機で使われているネットワーク(同25Mbps)を採用した。すべてのECUに順番にデータ送信権を与える「タイムトリガー」方式を採用することで遅延を防ぎ、安全系のシステムに使えるよう信頼性を確保した。「将来的にはFlexRay(同10Mbps)の採用も検討している」(担当者)。

 ステレオカメラは、従来は画像処理回路を内蔵していなかったため、ネットワーク上に別途画像処理回路を配置していた。今回は画像処理回路を小型化したことでステレオカメラに内蔵した。ステレオカメラのアプリケーションとしては、現在開発中であるが、夜間に近赤外線を用いた「ナイトビジョン」や、夜間昼間を問わず画像認識で歩行者や自転車などを検出する機能も持たせる方針。

図2◎ミリ波レーダやGPSは従来と同じ仕様。ネットワークやステア・バイ・ワイヤのモータ、電池などはすべて二重化した。
図2◎ミリ波レーダやGPSは従来と同じ仕様。ネットワークやステア・バイ・ワイヤのモータ、電池などはすべて二重化した。
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図3◎ステア・バイ・ワイヤ。従来のIVXは、電動パワーステアリングを装着して、GPSの情報を基に電動パワーステアリングを操作していた。
図3◎ステア・バイ・ワイヤ。従来のIVXは、電動パワーステアリングを装着して、GPSの情報を基に電動パワーステアリングを操作していた。
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図4◎次世代ECUを採用。「現在普及しているECUの処理速度よりも1桁高いものを採用した」(担当者)。GPS、カメラ、ステアリングなどを高速ネットワークで接続して、ドライバーの意図する方向に車両を制御する。
図4◎次世代ECUを採用。「現在普及しているECUの処理速度よりも1桁高いものを採用した」(担当者)。GPS、カメラ、ステアリングなどを高速ネットワークで接続して、ドライバーの意図する方向に車両を制御する。
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図5◎ステレオカメラ。画像処理を小型化したことでステレオカメラ内に処理基板を内蔵した。 
図5◎ステレオカメラ。画像処理を小型化したことでステレオカメラ内に処理基板を内蔵した。 
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