トヨタが東京モーターショーに展示した「エスティマハイブリッドコンセプト」は、次期「エスティマハイブリッド」を予告するコンセプトカーだ。「ハリアーハイブリッド」と同じくハイブリッド機構の「THS II」に、電動4輪駆動「E-Four」を組み合わせる。ハリアーと同様、リダクションギア(関連記事、登録が必要です)を使ってモータのトルクを増幅する。

図1◎「エスティマハイブリッドコンセプト」。コンセプトカーのボディサイズは全長4820×全幅1800×全高1760mm。

 異なるのはエンジンが2.4Lの直列4気筒で、プリウスなどと同じくアトキンソンサイクルとした点。ハリアーハイブリッドでは加速性能を重視したこともあり3.3LのV6でオットーサイクルだったが、エスティマでは燃費よりの設定だ。10・15モード燃費は18km/L以上という(現行車は18.6km/L)。

 燃費を良くするために新たに搭載したのが、「排気熱回収システム」。排気管の触媒の後ろ側に熱交換機を設置して、これまで熱として捨てていたエネルギーを回収する。具体的には冷却水を早めに暖めることで、エンジンの暖気、ヒーターの暖気に利用する。通常は始動時にはアイドリングの回転数が上がるため燃費が悪くなるが、このシステムで回転数を早めに落とすことができるという。

 ただしこのシステムが効いてくるのは10・15モード燃費ではなく実用燃費。「次期エスティマハイブリッドは、トヨタの中でモード燃費と実用燃費の差が最も少ない1台になるのでは」(開発担当者)。

 もう一つ、ハイブリッド車としての新たな試みが速度計横に表示する「エネルギーメーター」。車両のエネルギー消費状態を、走行系、空調系、電気系に分けて表示する。エアコンの温度を変更することやオーディオを消すことで、どれくらい燃費に影響するかが分かりやすいため、燃費を良くするのに役立つという。

図2◎フロントモータの出力は100kW以上。具体的な出力についてはまだ公開していない。

図3◎速度計の右にあるのが「エネルギーメーター」。左には瞬間燃費計を備える。